EIZO(エイゾー)のFlexScanシリーズといえば、目に優しく高画質なモニターとして、デスクワーカー憧れの存在ですよね。
その中でも、27インチの4Kモデルである「EV2740X」と「EV2740S」は、型番が一文字違うだけでデザインもそっくり。「これ、一体何が違うの?」「価格差分の価値はあるの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実はこの2機種、画面の綺麗さは同じですが、背面の「接続機能」や「拡張性」に大きな違いがあります。
編集長この記事では、カタログのスペック表だけでは見落としがちなEV2740XとEV2740Sの決定的な違いについて、どちらを選ぶべきか分かりやすく解説していきます!
EV2740XとEV2740Sの違いを比較
まずは、主な仕様と違いを表で確認してみましょう!
| 項目 | EV2740X | EV2740S |
| 解像度 | 3840×2160 (4K) | 3840×2160 (4K) |
|---|---|---|
| 映像入力端子 | USB-C, DP, HDMI×2 | USB-C, DP, HDMI×1 |
| USB給電能力 | 最大 94W | 最大 70W |
| LANアダプタ | あり (有線LAN) | なし |
| KVM機能 | あり (2台切替) | なし (1台想定) |
| 音声出力 | ヘッドホン端子あり | なし |
| スピーカー | 2.0W + 2.0W | 1.0W + 1.0W |
画面自体の性能は共通ですが、接続端子の種類や数、給電能力に明確な差があるのがわかります。
【主な違い1】PC2台を使い分ける「KVM機能」と「LANポート」
| 項目 | EV2740X | EV2740S |
| PC接続(アップストリーム) | USB-C ×1 / USB-B ×1 | USB-C ×1 |
|---|---|---|
| KVM機能 | 対応 | 非対応 |
| 有線LANポート | あり (RJ-45) | なし |
今回の一番大きな違いは、複数のパソコンを使い分ける機能と、インターネット接続の機能です。
EV2740Xには、PCと接続するためのUSBポートが2つ(Type-CとType-B)用意されており、いわゆる「KVMスイッチ機能」が搭載されています。
これはどういうことかと言うと、例えば「会社のノートPC」と「自宅のデスクトップPC」の2台をモニターに繋いでおけば、モニターの切り替え操作だけで、1組のマウスやキーボードを両方のPCで使い回せるんです。
さらに、EV2740Xには有線LANポートも付いています。Wi-Fi機能しかないノートPCでも、モニターとUSB-Cで繋ぐだけで、安定した有線インターネットが使えるようになるのは便利ですよね。
一方のEV2740Sには、これらの機能がありません。基本的には「ノートPC 1台をUSB-Cで繋いで使う」というシンプルな使い方に特化しています。



自宅で複数のPCをカチャカチャ切り替えて作業したいなら、間違いなくEV2740Xの方が快適です!
【主な違い2】ノートPCへの「給電能力」と「HDMIポート数」
| 項目 | EV2740X | EV2740S |
| USB-C給電 | 最大 94W | 最大 70W |
|---|---|---|
| HDMI入力 | 2ポート | 1ポート |
2つ目の違いは、ケーブル1本でノートPCを充電できる「パワーデリバリー」の強さと、HDMIの数です。
EV2740Xは最大94Wというハイパワーな給電に対応しています。これは、MacBook Proの14インチや16インチといった、ハイスペックなノートPCでも余裕を持って充電できるレベルです。
一方、EV2740Sは最大70W。MacBook Airや一般的なビジネス用ノートPCなら十分ですが、動画編集などをして負荷がかかるハイスペックPCだと、充電スピードが追いつかない可能性があります。
また、地味な違いですがHDMI端子の数も異なります。EV2740XはHDMIが2つあるので、「PCとゲーム機とFire TV Stick」のようにたくさんの機器を繋ぎっぱなしにできますが、EV2740SはHDMIが1つだけです。



持っているノートPCが高性能な場合や、接続したい機器がたくさんある場合は、EV2740Xを選んでおいた方が後悔しません!
【主な違い3】ヘッドホン端子の有無とスピーカー音質
| 項目 | EV2740X (上位) | EV2740S (標準) |
| 音声出力端子 | ヘッドホン / ラインアウト | なし |
|---|---|---|
| スピーカー | 2.0W + 2.0W | 1.0W + 1.0W |
3つ目は意外と見落としがちな「音」周りの違いです。ここ、かなり重要なので注意してください。
なんと、EV2740Sには「ヘッドホン端子」がありません。
つまり、EV2740Sを使っていて「夜だからイヤホンで音を聞こう」と思っても、モニターにイヤホンを挿す場所がないんです。PC本体に直接挿すか、ワイヤレスイヤホンを使う必要があります。
EV2740Xの方は、側面にしっかりヘッドホン端子とラインアウト端子が付いています。お気に入りの有線ヘッドホンや、外部スピーカーをモニター経由で使いたい場合は、こちらが必要です。



また、内蔵スピーカーの出力も、EV2740Xの方が倍のパワー(2.0W+2.0W)があります。会議の声の聞き取りやすさを重視するなら、EV2740Xの方が余裕のある音質が期待できます!
共通の仕様・変わらない機能


- 緻密で美しい27インチ「4K IPSパネル」
- 目に優しい「Paperモード」「Auto EcoView」
- 自由自在に動く「多機能スタンド」
ここまで違いばかり見てきましたが、モニターとしての「画質」や「見やすさ」は全く同じです。
どちらも3840×2160の4K解像度を持つIPSパネルを採用しており、文字のくっきり感や色の鮮やかさは最高レベル。EIZOならではの、周囲の明るさに合わせて画面輝度を自動調整する機能や、紙のような見え方にするブルーライトカット機能もしっかり搭載されています。
また、高さ調整や縦回転(ピボット)がスムーズに行える高品質なスタンドも共通です。



純粋に「画面を見る」という点においては、安い方のEV2740SでもEIZOクオリティを十分に堪能できます!
【まとめ】「EV2740X」と「EV2740S」どっちを選ぶべき?
- 自宅のデスクトップと会社のノートPCを併用したい(KVM機能)
- ノートPCを有線LANで安定して繋ぎたい
- ハイスペックなノートPC(MacBook Pro等)を使っている
- モニターに有線ヘッドホンやスピーカーを繋ぎたい
- 基本的にノートPC 1台しか接続しない
- ノートPCは一般的なスペック(Airや事務用)だ
- 音はPCから直接聞くか、ワイヤレスイヤホンを使う
- 必要な機能だけで、少しでも予算を抑えたい
結論としては、「ドッキングステーションとしての機能を求めるか」が分かれ道です。
モニターをデスクの中心にして、LANもマウスもキーボードも全部まとめて繋ぎ、PCをケーブル1本で切り替えたいなら、【EV2740X】をおすすめします。
一方で、「シンプルに画面が綺麗ならOK」「PCは1台しか繋がない」という割り切った使い方なら、【EV2740S】がコストパフォーマンスに優れています。



ご自身のデスク環境と、接続したい機器の数を想像して、最適な一台を選んでくださいね!











